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徐倫+DIO小話

追記から徐倫ちゃんとDIO様のファーストコンタクト的な小話です。微妙な距離でじりじりしてたら可愛いなーとかそういう感じ!
「……」
「…………ぅぐぅー」
「(……あ…ありのまま今起こったことを話すぜ!『あたしは父さんに顔を見せに来てやったはずなのに、部屋ん中に入ってみれば父さんとは似ても似つかない男がすやすやと寝こけていた』!……いや、いやいやわけわかんない、なにこれ、なにこいつ?なんでこんなにキラキラしてんの?なんで妙にえろくせーの?なにこれ?誰?つーかここ本当に親父の部屋?……いや、間違ってはないはずだけど。何回も確認したし。ていうかあいつどこよ、親父、クソ親父。せっかく顔見せに来てやったっつーのに留守とかそんなふざけたこと、)」
「――じょーたろぉ」
「ひっ!?」
「遅かったではないか……お前とくれば、いつだってこのDIOを待たせてばかりで…………ん……?やわらかい……?」
「どっ、どこ触ってんだテメェェー!!離せオラァ!!!」
「んむ?……なんだ、小娘か……無駄な期待をさせおって、この、おおばかものー……」
「ちょ、ちょっと待って、待ってよこら!寝る前にちゃんとあたしを納得させて!」
「わたしには、貴様などと話すことは何もないー。さっさとアメリカに帰るのだ小娘よー」
「あたしにはあるんだっつーの!ていうかアメリカとか何?あんたあたしを知ってるの?」
「娘だろう?承太郎の」
「そ――そうだけど。……なんかあんた、えらい親しそうね、父さんと。一緒に住んでんの?ここで」
「んー」
「……名前は?」
「DIO」
「…………そ、それで結局、でぃ、DIOはさァ、父さんのなんなわけ?」
「……ふふふ、さあな、なんだと思う?」
「あ、あたしが聞いてんのよ」
「とは言ってもな、このDIOもあれとの関係をどう言ったものかよく分からんのだ。突っ込んだり突っ込まれたりする仲であることは確かであるのだが」
「……何を?裏拳?」
「いいや、ちん」
「あーあーあーもうやめてェェ!!察しちゃったからああくそもうッ!!普通そういうこと、相手の娘相手に言うか!?信じらんねー!!」
「最後まで言ってはおらんではないかー。小うるさい小娘だな。わたしはもう一眠りしたいのに」
「ねえ、見て分かると思うけどあたし今すっごく混乱してるわけ!1人寂しく暮らしてるもんだと思ってた父親が、あんたみたいなくっそエロい男を囲ってたって事実について!そんなあたしを放って、普通寝る!?」
「小うるさい小娘よ。貴様は確かに承太郎の子供ではあるものの、このDIOにとっては全くの他人である。わたしが一々、貴様の事情に配慮をしてやる必要がどこにあるというのだ。ないだろう?確かそろそろ、貴様も二十歳になるのだったな。大人とは言い難いが、既に子供を主張できる年齢ではない。パパに手を引いて歩いてもらわねばならん時期は過ぎ去ったのだ、小娘よ。自分の頭でものを考えろ。以上。わたしは寝る」
「……手ぇ引いてもらった記憶なんかないわよ、くそ」
「……ふぅむ?」
「いや――もしかしたら、そういうこともあったのかもしれない。でもあたしは覚えてないし、父さんはそういうことしてくれる人じゃあないって思ってる。物心ついたあたしが見てきた父さんって人は、そういう奴だったから。だからあたしは――ああ、もう何言ってんだ、すっごい感傷的。下らないこと言ったわ、忘れといて」
「父親というものに期待をし過ぎだ、小娘よ」
「分かったような口利いてんじゃあないわよ。あたしの心の問題でしょ。ほっといて」
「わたしは、我が子を養育する義務を放棄した男は『父』などという看板を掲げる資格はないのだと思っている。しかし逆に、それさえ達成できてしまえば男は『父』を名乗ることができてしまうのだな。そういう物差しに当て嵌めてみれば、承太郎は律儀に貴様の『父』をしているように見えるのだが」
「そんなの最低限の話でしょ。あたしは――あたしは、毎月同じだけ増えてく預金通帳の数字より、風邪引いて死にかかった時に傍にいてくれる父親の方が、欲しかったわよ」
「ふふ。貴様は、許したくてたまらんのだな。承太郎という父親を」
「……にやにやすんな」
「おお、今の物言いは承太郎にそっくりだ」
「なによ嬉しそうな顔しやがって!そんなにあいつが好き!?」
「……それがよく分からんのだ、小娘よ」
「……なによ、急にマジな顔にならないでよ。こえーよ、変わり身早すぎて」
「注文の多い小娘だな」
「あんたもしかして、すげー気分屋?」
「知らん。承太郎はよく、そう言うが」
「……そう」
「ああ」
「……ねぇ、あんたさぁ」
「ん?」
「知ってたのよね、あいつに娘が、あたしがいるんだってこと」
「まあ――色々話したからな、色々。わたしとあいつが離れていた期間のことは。その時に言っていた。子供ができたがいい父親にはなれなかった。これからも出来る限りのことをしていくつもりでいるが――とかなんとかいうことを」
「離れてた期間?あたしが生まれる前から付き合い合ったの?あんたたち」
「どうでもよかろう、貴様には何ら関係のない話だ――ああ、もしや貴様の母親と夫婦生活を送る裏で、わたしとも繋がっていたのではと心配をしているのか?なら安心しろ。10年と少し、ずっと会っていなかった。わたしがあれと再会したのは、あれが離婚をしてから随分経ってからだ。――さあ、もういいか小娘よ。わたしはいつになったら二度寝ができるのだ」
「……もう少しよ、あと一つだけ」
「なんだ」
「一緒に暮らしてて、その、突っ込んだり突っ込まれたりもする相手に子供が――別の人との間に生まれた子供がいるのって、気にならないもんなの?」
「なるわけがない。言っただろう、貴様などはまったくの他人であるのだと。わたしには、承太郎がいればいい」
「……あーもう、まったく。よく分からんとか言ってたけど、あんたあいつにべた惚れなんじゃあねーか、もう、胸やけするっつーの、恥ずかし気もなくぬけぬけと」
「気になって仕方がないのは貴様だろう?」
「は?」
「疎ましいか、このDIOが?」
「……気にならないわけがないし、いい感情ばかり抱けるわけないだろ、ばぁか」
「ふふふ、健全なことで結構だ」
「で――あいつどこにいんの、あいつ。あたしわざわざあいつに顔見せる為に、こんな所まで来てやったのよ。旅行のついでだけど。玄関で一瞬顔合わせたらそのままずらかるつもりだったけど」
「あれならまだ帰ってこんと思うぞ」
「……はあ!?」
「なんでも出張とかで、1週間ほど前からアメリカに」
「無駄骨もいいとこじゃあねぇかッ!まったく、なんてタイミングの悪い男!!だから嫌いなんだ、まったくもう!!」
「この時代には電話とかいう文明の利器があるではないか。何故連絡を取らなかったのだ」
「…………あたしの勝手だろ」
「拗らせすぎて電話もままならんのか。ファザーコンプレックスとは中々に、難儀なものだな小娘よ」
「うっせーよばーか分かったような口利くんじゃあねぇっつーの!悪いかッ!電話の一本も出来ないのがそんなに悪いのか!電話するのも躊躇うような接し方ずっとしてきたのは、他でもないあいつだ!!」
「まあまあ落ちつけよ小娘よ。ほら、紅茶でも飲むがいい。キッチンの戸棚の右の方に茶葉がある」
「いらねーよ紅茶なんて。あいついないなら、あたしもう出るし」
「ああ、わたしは砂糖もミルクもいらんからな。代わりにクッキーだ、クッキー。同じ棚に入っていたような記憶がある」
「自分が飲みてーだけじゃあねぇか!なんであたしがあんたの面倒見てやんなきゃあなんねーのよ!」
「貴様がそこにいるからだ。そしてわたしが丁度午後のおやつタイムに突入したい気分になっているからだ」
「知るか!」
「小娘よー」
「知らないッ!あたし帰る!!」
「小娘よーこのDIOが『おねがい』をしているのだぞ、小娘よー」
「や……やめてよなにそのあざとい上目ッ!小動物でも気取ってんの!?いい年した大の男が!」
「承太郎は、これに弱い」
「~~心底知りたくなかったわ!」






DIO様の上目遣いはジョースター殺し!
結局流されるままに一緒にお茶タイムしながら
「そういえば貴様のほかにもう1人、ファザコンを拗らせに拗らせてしまった子供を知っているぞ」
「ファザコン言うな。あたしはそういうんじゃあないから」
「わたしの息子であるのだがー」
「……子供いるの、あんたも?」
「4人いるうちの1番上だ」
「4人!?どんだけ頑張ったのよ!?」
みたいな会話しつつ、その内DIO様がうとうとしてきた辺りでかいさーんとかそういう感じです。

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